ジューケン広告研究所
 広告宣伝における消費者と企業/消費者とお客様、お得意様
安価志向と格安志向の違いが曖昧な消費者が多いことは事業者に有利
消費者は、買い物をするとき、大雑把に「安いに越したことはない!」という意識を持っています。
あえて高額な支払いをする必要がないからです。

同じものであれば、もちろん安いほうがいい。
しかし、同じものと思えるものに金額の違いがあれば、何らかの疑問が湧きます。
安いほうにはどこかに欠陥があるのではないかという疑問である。そして、サービスなどの場合は、何かが減らされているのではないかと・・・

そのように思っている私たちですが、販売の環境、消費者の心情などによって、多くの場合正当な評価や判断が乱されることになります。事業者側は消費者にとってお得な付加価値と言うところでしょうが、多くは単なる消費者誘導の場合が多いようです。

全く同じ商品であれば「安いに越したことはない!」。当然のことです。
高額な支払いをして優越感を得る人は除き、ほとんどの消費者は、「安いに越したことはない!」と考えています。
ところが、「全く同じ商品」と言うことが大きな疑問点になります。
近代的な工場で製造された商品でも、ときにはロットごとに違った商品が製造されることがあります。完璧に同じ商品を製造しようとしても、原料や材料の調達、その他の条件を考えると同じ商品の製造は困難だからです。ましてや、生鮮品の野菜や魚など、或いは人間が手を加える領域が多くなれば全くどころか同じ商品は基本的にあり得ません。
で、「たぶん同じ商品だろう!」と言うレベルでの価格比較になります。これが通常一般の「格安」になります。

この「たぶん同じ商品だろう!」を比較しての安価が「格安」ですが、ここで「たぶん同じ商品だろう!」の比較が軽薄になって安価を優先すると、限りなく「たぶん同じ商品だろう!」の様相が崩れていくことになります。
「安いに越したことはない!」から「安ければ安いほどいい!」への変化です。

これを事業者側の論理で消費者を誘導しようとすると、「安ければ安いほどいい!」と考える消費者を誘導するのは比較的容易です。単純に安価であればいいのですから・・・。
商品の品質も特に意識する必要はありません。安価が最優先です。

密かに高騰が続く商品の中に「訳あり商品」があります。
実は、この「訳あり商品」は、事業者にとっては利益の源泉です。
例えば、まともな野菜を手に入れようとすると、生産者の収入や流通、市場などの経費が掛かり相応の価格で仕入れることになります。しかも正規品ですから段ボールに傷があっただけでも返品されることがあります。或いは値引き対象になります。とは言っても、商品自体に損傷がなければ消費者には通常の価格で販売します。

野菜などの場合、「訳あり商品」は、以前なら畑で廃棄されていました。大根でも茄子でも、キャベツでも、畑に山積みされて捨てられていました。その捨てられるはずの野菜などを買い受けます。買うのですが、ほとんどタダ同然です。
販売するときは、正規品のほぼ半額。とは言っても、タダ同然の仕入れですから利益率は群を抜いています。しかも「訳あり商品」ですから消費者からの不満や苦情はほとんどありません。これが「訳あり商品」が、事業者にとっての利益の源泉の理由です。

格安志向が、そのほとんどは安価志向になっている現実です。
安価志向が良くないのではありません。しかし、安価志向の消費者は、価格が絶対的に優先されます。そのため、品質や量の吟味や評価が疎かになります。
「訳あり商品」の野菜を正規品の半額で買ってきたけど、料理の段階でその3分の1を捨ててしまった。そんなことがありますよね!
事業者の思うつぼです。

本質的なお得を見過ごして、安価に走る消費者。
事業者にとっては、お客様と言うより、お得意様です。
「たぶん同じ商品だろう」の認識での格安志向の消費者は、極めて少ないように思います。

さて、消費の現場では、じわりじわりと商品の値上がりが続いています。
その値上げは、簡単です。
価格だけを変えただけの値上げでしたら、消費者が離れて行きます。
ところが、価格を少しだけ下げて、内容量をそれに見合う以上に少なくしたら巧妙な値上げです。
でも、ほとんど消費者は、内容量なんてあまり気にしていません。
「少し少なくなったかな?」程度です。
事業者としては、消費者に慣れが出て来たら、大成功です。

袋詰めのコーヒーの内容量が200gから180gになり、味噌が1sから800gや750gになっています。
量を1割減らして価格を5%下げる。一見価格が下がったように見せた巧妙な値上げです。
こんな都合のいい値上げはありません。
このような値上げは数えきれないほどあります。

これが価格志向の消費者に襲っている危険です。
「安ければ安いほどいい!」という安易に考えで買い物をしていると、品質を見極めることが面倒になってくるから不思議です。
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